洋服のタグにあるFとPってなに?家で洗濯できないの?

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突然ですが衣類に付いている洗濯表示、意識したことありますか?実はこの表示、2016年に国際基準として再制定され、それまで22種類だったものが41種類に増えたそうです!その中には、よく見かけるけれど意味していることがよくわからない表示もありますよね。FマークやPマークなどはその典型でしょう。

Fマーク、Pマークはこういうことだった!

FとPはドライクリーニングをする時の表示で、溶剤の種類を指しています。F
の意味するところは「石油系溶剤でのドライクリーニング可」。そしてPマークは「塩素系溶剤(パークロロエチレン)および石油系溶剤使用可」となっております。ちなみにWは「ウエットクリーニングが可能」という意味になっています。旧・洗濯表示ではドライクリーニングができるか/できないかだけが表示されていましたが、新・洗濯表示ではドライクリーニングをするときの方法までが表示されるようになりました。洗浄力はFよりもPが強いのですが、その分だけ衣類の風合いを損ねる可能性も高いということ。よってデリケートな生地の洋服にはF、丈夫な生地の洋服にはPマークが付いています。

ドライクリーニングについて、知っているようで知らないこと

ドライクリーニングとは水を使わない洗濯方法のことで、ご自宅で行う洗濯ではなくクリーニング屋さんで行われる方法の一つです。

お洋服にドライクリーニングマークのみが付いていたら、それは「家での洗濯を推奨しません」というメーカーのメッセージなのですが、その真相としてはウェットクリーニングに比べてドライクリーニングは洋服に与える影響が少ないので、メーカーが事故を避けるためにドライクリーニング表示のみにしている場合もあるのです。

とはいえ、日常生活で付着する水溶性の汚れ(汗、コーヒー、紅茶など)はドライクリーニングでは落ちづらいことも事実なので、「ドライクリーニングマークしかないけれど、水洗い(家で洗濯)してはいけないのですか?」というご相談をお客様からよくいただきます。最近の洗濯機にはドライクリーニングモードがありますよね。これは通常よりも優しく洗うモードですが、安易にドライクリーニングモードを使用したことで衣類がダメになってしまうこともあります。洗濯機は年々進化していますが、機械は機械。実際の衣類を前にして判断しているわけではないのです。

そこでやはり一番お勧めしたい方法としては、ドライクリーニングマークのついた洋服を家で洗濯する場合に、洗濯機を使うのではなく手洗いすることです。その際にはこびりついた汚れを無理に落とそうとすると服に負担がかかるので、汚れが定着する前に定期的に水洗いして汚れを緩和させておく必要があります。ドライクリーニングマークの洋服を家で洗濯するかどうかは、着始める時に決めておくと良いかもしれませんね。(汚れが付着したまま着続けていると、汚れが定着して家での水洗いが困難になってしまいます。)

家で行う手洗い洗濯の方法

洗剤をつけてしばらく時間をおいて、それからやさしく手洗いすることがお勧めです。そして水温は常温で行って下さい。お湯にした方が汚れは落ちやすいと思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、お湯の方が洋服に与えるダメージが大きいので、繊維が緩んだり縮んだりして洋服の風合いやシルエットが変わってしまうのです。

また部分的な染み抜きをする場合は、先に染み抜きをつけてから水に入れておきます。そのまましばらく置いた後に手洗いをするわけですが、揉んだりこすったりするのではなく押し洗いが基本です。水の中でくぐらせて洗う程度で良いのです。汚れはそのまま放置せずに、日頃から頻繁に洗っておけば洗剤液につけるだけで水溶性の汚れは十分に落ちるようになります。特に汗汚れの場合には着るたびに洗うことをお勧めします。

一枚のために毎回手洗いすることは大変だと思いますよね。そこで、お風呂に入る時に洗面器に柔軟剤をつけて洋服を入れておいて、お風呂を出るタイミングで洋服も取り出して軽く脱水するという方法はいかがでしょうか。日常のルーティンの中に組み込めば、さほど手間にはなりませんよ!

家での手洗い洗濯をお勧めしない場合

ここまでドライクリーニングマークのみの洋服を家で洗濯する方法を伝えてきましたが、もし汚れが定着してしまっている場合や少しでも生地の風合いが変わるのが怖いという場合にはクリーニング屋さんにご相談することをお勧めします。

ただし、一概には言えないですがチェーン店の場合、ドライクリーニングマークのみの洋服に関しては基本ドライクリーニングしかしてくれません。それはなぜかと言うと衣類メーカーと同様にクリーニングの事故を避けたいからです。 お客様の気持ちからすると汗シミなどのこびりついた水溶性の汚れを落としたいですよね。

ミツナガではドライクリーニングのみ(Pマーク、Fマーク)のお洋服でも丁寧に手洗いさせていただきます。まずドライクリーニングを行って油脂汚れを落としてから手洗いで水溶性の汚れを落としていきます。水溶性の汚れを油脂汚れの幕が覆っているので先にドライクリーニングを行うことで 汗汚れもより落ちやすくなるのです。一回一回クリーニングに出すまではいかなくとも、普段は家で洗ってシーズンオフに持ってこられる方も非常に多いです。

ドライクリーニングしかできないとタグに書いてあるけど、どうしたらいいのか悩んでいる方は是非ミツナガにご連絡ください。